統合失調症の治療の目標とは

統合失調症になる方は、ゆとりを失いやすい人であることが多いように私は思います。発病する前には、いろいろな面で無理がかかり、焦りや不安が強くなります。ゆとりとは、何かが不意に起こっても対処できる余力であると考えると、余力のない状態になっているわけです。

ですから、治療の目標は、病気になる前に戻すことではありません。病気になる前にはどこか不安定なところがあったのかもしれません。せっかく病気という貴重な体験をしたのですから、病気になる前よりもゆとりがあり、安定した状態になることが大切です。それが治療の目標になると思います。

それぞれの方にさまざまな生き方があると思いますが、どなたにも必ず回復する力があります。そのためには、これ以上気持ちがすりきれることなく、自尊心がなくってしまうことのないようにしたいものです。自尊心がなくなると、自暴自棄になってしまうことがあります。慢性の統合失調症の方に対しては、気持ちのよりどころを持てるようになり、自尊心を再建することが治療の大きな目標であると考えています。

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